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今井 誠*; 左高 正雄; 川面 澄*; 高廣 克己*; 小牧 研一郎*; 柴田 裕実*; 須貝 宏行; 西尾 勝久
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 230(1-4), p.63 - 67, 2005/04
被引用回数:8 パーセンタイル:52.8(Instruments & Instrumentation)高速重イオンの高速の固体中での挙動を調べるため重イオンビームの極薄い炭素フォイルにより電荷変換させたイオンの電荷分布を測定した。イオン電荷はイオンの電離,励起,荷電変換,阻止能、など放射線と物質の相互作用を研究するための基本的パラメターの一つであり重要である。本研究は従来ある平衡電荷測定ではなく、平衡に達する前の電荷分布の測定であることが特徴である。実験は東海研タンデム加速器からSイオンを加速し、重イオンスペクトロメータENMAを用いて行った。炭素フォイルの厚さは10g/cm-0.9g/cmの8種類、入射イオンは64MeVのSイオンを用いた。電荷6+から13+までのイオンを入射させ出射イオンは電荷6+から13+まで各々のフォイルにつき測定した。測定結果は測定結果をEikonal近似に基づくBesenbacherらの計算と比較した結果、入射イオン電荷が11+の場合以外はよく合わなかった。
松波 紀明*; 福岡 修*; 志村 哲生*; 左高 正雄; 岡安 悟
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 230(1-4), p.507 - 511, 2005/04
被引用回数:14 パーセンタイル:67.9(Instruments & Instrumentation)高エネルギー重イオン照射に伴い高密度電子励起による固体内原子変位の機構解明を目的として東海研タンデム加速器を用いて各種の高エネルギーイオンビームを用い自己保持カーボン補修によりスパッタリング収量を測定し、また、電流測定法によりイオン照射による放出電子と放出イオン収量の測定を行った。試料は電子構造の異なる種々の酸化物(酸化珪素,酸化マグネシウム,スピネル,ジルコニアなど)であり、照射イオン種(Ni, Ar, Xeなど)と照射エネルギー(60-200MeV)は電子的阻止能を連続的に変化させて照射するために選んだ。スパッタリング測定の結果、電子励起スパッタリングは弾性散乱に基づく計算値に対して最大1000倍大きい、スパッタリング収量は電子阻止能のべき乗に比例する、べき乗の指数とスパッタリング収量は物質依存性があり、収量に関しては酸化物のバンドギャップに関係していることなど電子励起スパッタリングの存在と特性がわかった。電流測定法によりスパッタリング粒子の約10%は正イオンであることがわかった。イオン放出量が少ないことから、電子励起モデルの一つであるクーロン爆発モデルは妥当でないことがわかった。そこでthermal spikeモデルの妥当性とともに、self-trapped excitonモデルの適応性について議論する。
Jeong, S.-C.*; 片山 一郎*; 川上 宏金*; 渡辺 裕*; 石山 博恒*; 宮武 宇也*; 左高 正雄; 岡安 悟; 須貝 宏行; 市川 進一; et al.
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 230(1-4), p.596 - 600, 2005/04
被引用回数:6 パーセンタイル:45.52(Instruments & Instrumentation)短寿命核ビームを固体内拡散係数測定に用いる手法を開発し、イオン伝導体中の拡散係数を測定した。本方法は秒単位の高速拡散粒子の移動を直接観察できることが特徴である。東海研タンデム加速器からの24MeVのLiイオンをBeに衝突させ、レコイルマスセパレーターにより短寿命不安定核Li(寿命0.84秒)を分離し実験を行った。Liを固体中に照射し、Liから放出される線の固体中でのエネルギー損失量を測定することにより高速拡散係数を測定した。リチウム電池の電極材として利用されているLi含有Siガラス,LiCoOにおけるLiの拡散については本手法の検出限界(10cm/s)以下であった。リチウム電池電極材の一つである超イオン伝導体LiAl(48.5at.%Li)について室温から300Cの温度範囲で測定した結果はNMRスピンエコー法で測定した結果とよく一致した。